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第144話:「六角形」の経絡ネットワーク(1/2)



◆「十二角形」の「円環図」◆
第141話で紹介した「子午流注」の円環図は、12本の経絡を「十二辰刻」に合わせたものでした。これは円環というよりむしろ「十二角形」といってもよいものです。
そこに規則性があるとすれば、「手の経絡」と「足の経絡」が「手⇒手⇒足⇒足⇒・・・」、
また「陰経絡」と「陽経絡」が「⇒陽⇒陽⇒⇒・・・」という順番で並んでいること。さらには180度で向き合う経絡同志が「子午軸」と呼ぶ特別な関係にあるということでした。

 ①肺経[手]⇒②大腸経[手]⇒③胃経[足]⇒④脾経[足]⇒
 ⑤心経[手]⇒⑥小腸経[手]⇒⑦膀胱経[足]⇒⑧腎経[足]⇒
 ⑨心包経[手]⇒⑩三焦経[手]⇒⑪胆経[足]⇒⑫肝経[足]⇒

◆「十二角形」から「六角形」へ
この「十二角形」を、試しに陰経絡を内側の「六角形」にし、同時に陽経絡を外側の「六角形」になるように並び替えてみたのが上の図です。少し見づらいかもしれませんが、青い矢印に沿って①肺経から⑫肝経と流注は続いています。

この「六角形」に作り替えてみたのはもう10年前のこと。ちょっとした試みが、実は意外な発見をもたらします。「子午流注」を2重の「六角形」にしただけで、たとえば陰陽の位相を表す「三陰三陽」とか、臓腑間の「表裏」が、実にシステマティックに配列されていることにまずは驚かされます。それと最も大事な要点としては、経絡間の関係性、所謂「経絡ネットワーク」の全貌が、この「六角形」を通すとはっきりと見えてくるのです。
そこで今回は、この「六角形」が意味する「経絡ネットワーク」の全貌と臨床でどう活用するのかを紹介してみます。

◆「六角形」の3つの【台形】
この六角形は、見方をかえると4つの経絡で結ばれた【台形】が3個、120°の角度で放射状に配置しているように見えます。これらの【台形】を流注の順番から、仮に【台形A】【台形B】【台形C】とします。

 【台形A】:①肺経[太陰]⇒②大腸経[陽明]⇒
  ⇒③胃経[陽明]⇒④脾経[太陰]
 【台形B】:⑤心経[少陰]⇒⑥小腸経[太陽]⇒
  ⇒⑦膀胱経[太陽]⇒⑧腎経[少陰]
 【台形C】:⑨心包経[厥陰]⇒⑩三焦経[少陽]⇒
  ⇒⑪胆経[少陽]⇒⑫肝経[厥陰]

これらの【台形】は共通した要素で構成されています。上辺(短辺)の両端は陰経絡の同一「三陰」同志が並び、そして下辺(長辺)の両端は陽経絡の同一「三陽」同志が並んでいます。さらに上下端は、陰経絡と陽経絡がちょうど表裏の関係になっています。さらに流注の特徴としては、陰経絡同志は直接繋がらず、ふたつの陽経絡を間に挟んで間接的に繋がっているということです。

たとえばこれを【台形A】を使って説明すると、上辺両端は「肺経」と「脾経」で、共に陰経絡の「太陰」に属します。そして下辺両端は「大腸経」と「胃経」で、共に陽経絡の「陽明」に属します。さらに上下端の、「肺経」⇔「大腸経」と「脾経」⇔「胃経」は表裏の関係になります。さらに流注の特徴としては、「肺経」と「脾経」は直接繋がってはおらず、「大腸経」と「胃経」の陽経絡を間に挟んで間接的に繋がっています。

◆対角線上の関係
次に、六角形の対角線に注目すれば、「肺経」⇔「腎経」、「脾経」⇔「心包経」、「心経」⇔「肝経」の3つの組み合わせがありますが、不思議なことに、この対角同志の「経絡」間には次のような特徴があります。

(a) 2組の対角に「母子」の関係あり
 肺経 (母)⇔ 腎経(子)
 心包経(母)⇔ 脾経(子)
(b) 2組の対角には「奇経」の関係あり
 内関(心包経)陰維脈 ⇔ 公孫(脾経)陰蹻脈
 列缺(肺経) 任脈  ⇔ 照海(腎経)衝脈
(c) すべての対角には「子午軸」が隠されている
 「肺経」の「子午軸」は、対角の「腎経」の裏である「膀胱経」
 「脾経」の「子午軸」は、対角の「心包経」の裏である「三焦経」
 「心経」の「子午軸」は、対角の「肝経」の裏である「胆経」
 「腎経」の「子午軸」は、対角の「肺経」の裏である「大腸経」
 「心包経」の「子午軸」は、対角の「脾経」の裏である「胃経」
 「肝経」の「子午軸」は、対角の「心経」の裏である「小腸経」

以上が「六角形」が意味する「経絡ネットワーク」の全貌です。これらを臨床でどう生かすかは次回説明します。(つづく)


※「三陰三陽」について
「三陰」には太陰・少陰・厥陰があり、「三陽」には陽明・太陽・少陽がある。これらは陰陽の位相変化を表している。これらに足の経絡と手の経絡が次のように配当される。
◎「三陰」の陰経絡    
  太陰:①肺経[手]+④脾経[足]  
  少陰:⑤心経[手]+⑧腎経[足]  
  厥陰:⑨心包経[手]+⑫肝経[足] 
◎「三陽」の陽経絡
  陽明:②大腸経[手]+③胃経[足]
  太陽:⑥小腸経[手]+⑦膀胱経[足])
  少陽:⑩三焦経[手]+⑪胆経[足]

※「表裏」について
臓は陰で裏、腑は陽で表として、臓腑間には表裏の関係が次のようにある。
  ①肺経[裏]⇔②大腸経[表]
  ④脾経[裏]⇔③胃経[表]
  ⑤心経[裏]⇔⑥小腸経[表]
  ⑧腎経[裏]⇔⑦膀胱経[表]
  ⑨心包経[裏]⇔⑩三焦経[表]
  ⑫肝経[裏]⇔⑪胆経[表]

※「奇経」について
病症が慢性域に入ると、反応する経絡がバイパスラインに移行する。
そのバイパスにあたる特殊な経絡を「奇経」8脈という。
病症に応じて奇経2脈(合計4組)の組み合わせで2穴治療ができる。
  陰維脈:内関(心包経)⇔ 陰蹻脈:公孫(脾経)
  任脈:列缺(肺経)  ⇔ 衝脈:照海(腎経)
  陽維脈:外関(三焦経)⇔ 帯脈:臨泣(胆経)
  督脈:後谿(小腸経) ⇔ 陽蹻脈:申脈(膀胱経)

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第143話:「五角形」の経絡ネットワーク



◆五行論における母子関係◆
子供にかける愛情においては、母親に敵わないことは誰しもが認めるところ。母親は「子供のためなら命を賭しても」と口にしても「夫のためなら・・」とはまず言いません。
この母なる力の存在は、東洋医学では五行論における「相生(そうせい)関係」に見出せます。五臓のそれぞれには、母なる力を発揮して下支えしようとする他の臓器が必ず存在します。それは五臓を纏(まと)う五つの経絡についてもまた然りなのです。
今回は、五行論における母子関係から展開された「経絡ネットワーク」について説明します。

◆「相生関係」とは
まずは「相生関係」を説明すると、時計回りの五行循環(木→火→土→金→水)において、上流側を「母」として、次の下流側の「子」を生じる(産む)関係として捉えます。

木生火(木は火を生じ)
火生土(火は土を生じ)
土生金(土は金を生じ)
金生水(金は水を生じ)
水生木(水は木を生じ)

そこで上図の五角形は、五行循環(木→火→土→金→水)に、陰の経絡(肝経→心包経→脾経→肺経→腎経)を当てはめたものです。5角形それぞれの1辺に着目すれば、上流側と下流側の関係がまるで母子関係のように位置づけられ、上流側を「母経」、下流側を「子経」と呼びます。

【母経】     【子経】
肝経(母)  → 心包経(子)
心包経(母)→ 脾経(子)
脾経(母)  → 肺経(子)
肺経(母)  → 腎経(子)
腎経(母)  → 肝経(子)

ここで大事なことは、【子経】を治療すべき当該経絡とした場合、【母経】の治療も同時に
加えるということです。

◆経絡間の母子関係
これら経絡における「母経」と「子経」の関係は、臓腑間の生理機能系として密接な関係があります。実際の臨床でも、それを裏付けるようなツボの反応を確認することができます。
ここで5つの経絡間の母子関係における生理機能系を、次のようにまとめてみました。

◎肝経を支える母なる腎経
古くは「肝腎同源」と呼ばれているように肝と腎は密接な関係があります。肝を中心に考えた場合、足がつるなどの筋肉疾患や、子宮筋腫などの婦人科疾患、目が疲れるなどの眼精疲労などは、共に「肝血」の病といいます。さらに「肝血」の生成元が、腎のなかの「腎精」とか「腎陰」になります。したがって、肝虚の場合は、肝血不足に陥らないように、母である(生成元の)腎も同時に治療する必要があります。

◎心包経を支える母なる肝経
心包虚の人は、寝つきがわるい、眠りが浅い、よく夢をみるなどの眠りの問題がからむことと、貧血や高血圧などの循環器系疾患になりやすい体質です。それらの背景には精神疲労に至るストレスを抱え込みやすいことがあります。ひどい人は背中の肩甲骨内側がどんよりしています。こうして心包虚の場合は、総じて「血虚」と「気のめぐりのわるさ」があるので、母である肝も同時に治療して、肝血を補い、肝気を促してめぐりをよくする必要があります。

◎脾経を支える母なる心包経
脾虚の人は胃腸が弱かったり、胃腸はよくても水はけがわるかったりして浮腫みやアレルギー症状を呈することが多いようです。また胃腸は情動に左右されやすいので、ストレスや精神疲労が誘引となる傾向があります。精神疲労に対しての安神(リラックス)を図るには心包経を補うことです。したがって脾虚の治療には母である心包も同時に治療する必要があります。

◎肺経を支える母なる脾経
肺虚の人は呼吸器系や皮膚が弱かったりします。それと対人関係いわゆる「気のキャッチボール」で疲れたりすると、息切れが生じやすくもなります。こうした症状はみな肺気がスムーズに流れないために起きる症状です。こうした肺虚の治療には、肺経のツボだけでなく、必ず気の生成元である脾経を補います。それは食養生で、風邪をひいたときに滋養のある食べ物をとることで肺を下支えする脾を健やかにするということも、実は同じ考え方です。

◎腎経を支える母なる肺経
喘息のときには腎経のツボに反応がよくでます。それは呼吸が肺だけでなく腎のはたらきも関与しているからです。腎は「納気」といって自然界から「気」をとりいれて丹田に納めるというはたらきがあります。腎は呼吸活動の一部を荷いながら、肺のサポートも必要とするのです。したがって、腎虚の場合は母である肺も同時に治療する必要があります。

◆配穴への応用
当該経絡の治療に母経の治療を加えることとは、具体的には「配穴(ツボの組み合わせ)」に展開されます。一般的には経絡の要穴を上手に組み合わせるのですが、流派によっていろいろの考え方があるようです。
ここでわたしが紹介するのは、背中の背兪穴の使い方です。

◎背兪穴における応用
肝虚の人     肝兪  +  腎兪
心包虚の人    厥陰兪 +  肝兪
脾虚の人     脾兪  +  厥陰兪
肺虚のひと    肺兪  +  脾兪
腎虚の人     腎兪  +  肺兪

このように、単純に母経の背兪穴を追加して合計4つのツボを使っています。(了)

第142話:「前のめりに生きるひと」のために



多くの患者さんをみていると、前のめりに生きている方、結構多いような気がします。仕事でも家事でも一生懸命取り組み、身を粉にして頑張りすぎて、いつも疲れている方です。ゆっくり自分の身体と向き合って休息を与え、ときには自分にご褒美を与えることなど考えも及ばない、いつも前向きすぎるのです。こうした方の多くは、実は浅い呼吸をしています。

とかく頑張りすぎると呼吸は乱れやすくなります。それは周りに気を配るばかりに人の呼吸に合わせすぎるからです。すると自分の呼吸を忘れてしまい、呼吸は浅くなり自律神経が不安定になり、結果さまざまな不定愁訴を抱えてしまうことになります。ストレスフルな現代社会ほど、自分の呼吸を維持することは中々むずかしいものです。たかが「呼吸」されど「呼吸」ということ。逆に、深い呼吸を取り戻せば、疲労を回復するだけではなく、病気の予防にもつながります。

そうした方が鍼灸治療を受けると身体が軽くなり元気になっていきます。呼吸に意識を向ければ、明らかに治療前に比べて呼吸は深くなっています。呼吸が深いのは上体がリラックスした、いわゆる「上虚下実」(丹田に「気」が充実してどっしりし、上体には余分な力が入っていない状態)になったこと。しかも次第に本来の自分の呼吸を取り戻していきます。

このように、鍼灸治療は「気」の流れを調えると同時に「呼吸」もしっかり調え、元気にしてくれます。それと、定期的に治療を受けると、自分の身体と向き合う時間をしっかり確保ができて、それが至上の癒しであることを次第に実感できると思います。(了)

平岡篤頼文庫 第六回講演会

演題 「新人を発掘するということ
      - 名編集者としての平岡篤頼とその後輩たち -」

  武藤旬 (『文學界』編集長) × 根本昌夫  対談

  日時 : 2015年8月9日(日) 午後2時 

  場所 : 平岡篤頼文庫 (軽井沢町追分)
   HP:http://www.hiraokatokuyoshi.com/

  入場料無料 【要予約】

ご予約方法
参加者ご氏名・ご住所・ご連絡先電話番号をお書き添えの上、
メールまたはFAXにてお申し込みください。

e-mail : bunkohiraoka@mild.ocn.ne.jp
Fax 03-5702-5981

ご予約締切 8月7日(金)17:00
お問い合わせ用電話 03-3781-7608
当日のお問い合わせ 0267-45-1907


武藤旬(むとう じゅん)
早稲田大学卒業後、文藝春秋入社。
現在『文學界』名編集長として刺激的な企画を次々と手がけられ、最近は又吉直樹(「火花」)を『文學界』誌上でデビューさせ、マスコミを賑わせています。


根本昌夫
早稲田大学卒業後『海燕』編集長、『野生時代』編集長を歴任。
小川洋子、角田光代、よしもとばななをデビュ-させるなど新人発掘に定評があり、現在、大学及びカルチャーセンター等で小説教室の講座を担当。当初より当文庫講演会の企画を手がけられています。

※注記:このお知らせは、主催者の平岡不二子氏の許可を得て掲載しております。
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