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第12話:本山博の世界

6月3日、慶応大学三田キャンパス北館ホールで開催されたシンポジウム『地球時代のスピリチュアリティと宗教』を聴いてきました。目玉はなんといっても本山博の講演です。これまで一般向けに講演することが少ないため、今回は貴重な講演になるだろうとの予想に、案の定会場は立ち見がでるほどの盛況ぶりでした。本山博は現在87歳、耳が不自由なこと以外はカクシャクとした話しぶり。本山博を知らない方に一言で説明するのはたいへん難しいのですが、彼は宗教家であり科学者です。宗教家としては「密教ヨーガ」を中心とした宗教的行者。科学者としては「気の科学」の探求者であり、「経絡」の存在を世界で初めて科学的に実証した功績があります。

このシンポの主催者は慶応大の樫尾直樹(宗教学)や千葉大の小林正弥(公共哲学)らの著名な学者です。いまなぜ本山博かという理由を、シンポジストの小林は「本山博には実証科学としての確実な基礎がある」と言及し、本山が説く霊的精神性とコミュニティーの考え方には、公共哲学としても注目している-と述べました。続いて自らが瞑想を始めてもう3年たつという同じくシンポジストの樫尾は、「宗教的実践(行)をしない宗教学者」を「料理を作らない料理研究家」と自嘲気味に喩え、「宗教学者自らがまずは坐ろう」と実践的姿勢を提案し、その上で本山博の宗教学的業績を検証していく必要性を説いていました。

こうした著名な学者たちが本山博を取りあげるのは、きっと昨年の東日本大震災が大いに関係があるのでしょう。「文明の事故」ともいえる福島原発事故は、今や地球規模で解決されるべき問題です。そこにスピリチュアリティと宗教に回答を求めるひとつのムーブメント。今後もさらに注目していきたい事柄です。

私が本山博に関心をもったのはここ半年のことです。きっかけのひとつは治療上のヒントを、たまたま読んでいた本山博の著書から共時的に得られたこと。もうひとつは永年探し求めていた『天台小止観』の解説本が本山博の著作のなかにあったことです。(日蓮宗の僧侶でありシンポジストの影山教俊も『天台小止観』が本山博と関わったきっかけであると話されていました。)

講演会で話を直接聴くのは、私にとって今回初めて。限られた時間の中で多くを得ることは叶わぬことですが、ただ本から受けるイメージと寸分違わずという印象を得たことが今回の収穫でした。私が宗教家を選ぶ際には2つの基準があります。「行者であること」と「清廉であること」。このふたつを本山博は見事に満たしています。


※本山博(1925年~ ):
大正14年香川県小豆島生まれ。霊能者の母と養母の下で子供の時から宗教的行を積み、多くの神秘体験を経験する。東京文理科大学(現、筑波大学)大学院博士課程で霊的世界の実在性と人間存在の心身霊という多層性を、電気生理学、生物物理学などによって解明。これら論文発表の場が主に欧米のため、現在でも日本より欧米で有名。60年以上にわたるヨーガの瞑想行による宗教体験を基礎としながら、世界の諸宗教を比較宗教学的に研究。また、養母を教祖とした玉光神社(吉祥寺)の宮司でもある。

※本山博を知るための入門書2冊
本山博・稲盛和夫共著『人間の本質』PHP研究所(09年)
本山博著『スピリチュアリティの真実』PHP研究所(08年)

※本山博の世界を知るための名著刊行会シリーズ4冊
本山博著『坐禅・瞑想・道教の神秘』名著刊行会(91年)
本山博著『呪術オカルト隠された神秘』名著刊行会(89年)
本山博著『宗教と医学』名著刊行会(92年)
本山博著『気・瞑想・ヨーガの健康学』名著刊行会(94年)

※本山博の宗教的行を学ぶための2冊
本山博著『密教ヨーガ』宗教心理出版(78年)
本山博著『チャクラの覚醒と解説』宗教心理出版(90年)
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