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第142話:「前のめりに生きるひと」のために



多くの患者さんをみていると、前のめりに生きている方、結構多いような気がします。仕事でも家事でも一生懸命取り組み、身を粉にして頑張りすぎて、いつも疲れている方です。ゆっくり自分の身体と向き合って休息を与え、ときには自分にご褒美を与えることなど考えも及ばない、いつも前向きすぎるのです。こうした方の多くは、実は浅い呼吸をしています。

とかく頑張りすぎると呼吸は乱れやすくなります。それは周りに気を配るばかりに人の呼吸に合わせすぎるからです。すると自分の呼吸を忘れてしまい、呼吸は浅くなり自律神経が不安定になり、結果さまざまな不定愁訴を抱えてしまうことになります。ストレスフルな現代社会ほど、自分の呼吸を維持することは中々むずかしいものです。たかが「呼吸」されど「呼吸」ということ。逆に、深い呼吸を取り戻せば、疲労を回復するだけではなく、病気の予防にもつながります。

そうした方が鍼灸治療を受けると身体が軽くなり元気になっていきます。呼吸に意識を向ければ、明らかに治療前に比べて呼吸は深くなっています。呼吸が深いのは上体がリラックスした、いわゆる「上虚下実」(丹田に「気」が充実してどっしりし、上体には余分な力が入っていない状態)になったこと。しかも次第に本来の自分の呼吸を取り戻していきます。

このように、鍼灸治療は「気」の流れを調えると同時に「呼吸」もしっかり調え、元気にしてくれます。それと、定期的に治療を受けると、自分の身体と向き合う時間をしっかり確保ができて、それが至上の癒しであることを次第に実感できると思います。(了)

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