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第196話:教えて頂いた3つの物語

◆偶然にも・・
今年の春に、3人の患者さんから「本」と「絵本」と「紙芝居」を教えてもらいました。それは『異なるもの同士の愛』という共通したテーマに満ち溢れています。子ども向けの作品とはいえ、幸福な出会いをもたらしてくれる作品です。不思議なご縁で治療院にお寄せ頂いた3つの物語を、ここで紹介してみます。

◆本『カモメに飛ぶことを教えた猫』

ハンブルグ港に住む黒猫のゾルバは、突然、瀕死のカモメから卵を預かる。ゾルバは、仲間の協力を得ながら、卵から孵化したヒナを親代わりとして立派に育てるという話。このミッションが達成できたのは、母カモメと交わした固い約束があったから。それと、ゾルバに知恵と勇気を常に与えてくれる仲間の存在は大きい。仲間と一緒になって艱難辛苦を乗り越える展開は、まるで冒険活劇のようで楽しい。

◆絵本『ワニに なにが おこったか』 

アフリカに住むワニのガーパは、可愛い子ワニが生まれてくるのを楽しみに待っていた。ところが卵を割って出てきたのは鳥のヒナだった。ヒナはいつも離れず、ガーパを自分の母親だと疑わない。そんなヒナを不憫と思うガーパは、母性のやさしさをもって立派に育てる。ただ、ガーパには理解してくれる仲間は皆無。差別と偏見に満ちた周囲の目に苛まれながらも、母親の役割を全うする孤高のガーパは美しい。

◆紙芝居『わにが めんどりを たべないわけ』

川に住むワニが、美味しそうな雌鶏を、ひと飲みしようとすると、雌鶏が「わたしのお兄さん、わたしを食べないで」と言って逃げた。同じことが2度もあり、ワニは「なんで、おいらをお兄さんと呼ぶんだろう?」と悩んでしまう。そこに、森に住むトカゲくんが登場して、その疑問を解いてくれる。「僕も君もそして鶏もみんな卵から生まれる。だから兄弟なのさ!」と。それからワニは雌鶏を決して食べようとしませんでした。
異なるものに共通項をみつけることで互いが理解できる―という気付きの物語。


※『カモメに飛ぶことを教えた猫』
ルイス・セプルペダ作/河野万里子訳 白水ブックス(2019年)
中2英語の教科書に一部「ゾルバの約束(Zorba’s Promise)」として掲載され、劇団四季では子ども向けのミュージカルとしても上演されている。
※『ワニに なにが おこったか』  
M.マクスビナー 原作/田中潔 文/V.オリシヴァング 絵 偕成社(2007年)
「寒いロシアの作家が、熱いアフリカのワニから魂をゆさぶられる絵本を贈ってくれた。素晴らしい絵本は命つきるまで、あなたに住みつく」佐野洋子による帯の文章
※『わにが めんどりを たべないわけ』
製作 童心社/脚本 荒木文子/絵 小林ひろみ 2003年発行
図書館からこの紙芝居を借りて、保育士の妻にあえて読み聞かせしてみた。「小さい子どもにはとても分かりやすい構成だね」との太鼓判。改めて紙芝居の持つ力を再認識。
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