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文化からの復興(新刊本の紹介)



文化からの復興
-市民と震災といわきアリオスと-

ニッセイ基礎研究所/いわき芸術文化交流館アリオス
水曜社(2012年07月07日)定価1,800円+税


“いわき芸術文化交流館アリオス”は東北地方最大規模のアートセンターです。
08年のオープン以来、順調に運営されて延べ来館者数があと150人で200万人に達するという記念日を迎えるはずだった日が、まさに東日本大震災が発生した2011年3月11日でした。震災の翌日からこの「いわきアリオス」は一転して「避難所いわきアリオス」にかわります。そんな未曽有の状況にあった「いわきアリオス」の、震災から全館再オープンにこぎつけるまでのこの1年をドキュメントにまとめています。

文化による復興に取り組んだのは関係者だけでなく、いわき市民が自発的に深く関わって活動していました。いわゆる「はこもの」の文化施設(お高くとまった場所)としてスタートしたものが、震災後の「避難所」から「文化の復興」へと市民をまきこんで果たしたことで、市民と文化施設の距離がぐっと縮んでいったとか。これが一番注目すべきことです。

昨年11月1日、再オープンを記念して中劇場では「バレエ界の女王」と呼ばれるシルヴィー・ギエムが被災地の子どもを集めて「ボレロ」を披露し大きなニュースになりました。それはそれで感動的な出来事ですが、この本の表紙を飾っているのはシルヴィー・ギエムではなく、再オープンの前祝いとして小学校で行われたピアニスト小山実稚子による出前コンサートです。市民と膝擦り合わせるほどの距離感を大事にする文化施設の有り様を、まさに示唆しているかのような装丁も素敵です。

この本の執筆者のひとりである大澤寅雄さんは、以前から奥様の手塚夏子さんを通じて御縁を頂いています。それと妻のふるさとである「いわき」は、私にとっても何度か足を運んでお世話になった街です。この本が発行した7日は娘の誕生日。23年前に現在の「いわきアリオス」の近くにある産院で生まれました。そんな数々の御縁からこの本を紹介させて頂きました。
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