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第02話:「気の医学」の「気」とは

ツボに鍼やお灸を施すことによって身体の中の気の流れが調う。その結果、症状が和らいだり、病が根治に向かったり、もしくは病に傾きつつあった体調を未然に調えたりもできる。そんなことから「鍼灸治療」は「気の医学」といえる。一言でいえば「鍼灸は気を調えることが得意」ということ。

ではその「気」とは何か。「気とは生命活動に必要なエネルギー」ということだけではあまりにも教科書的。第一これでは「気」のほんの一部しか語っていない。「気」の概念を理解するために、ここでひとりの患者さんを例にとって考えてみる。

女性35歳会社員Aさんは、新緑の五月だというのに草花を愛でる気分にもなれず、身体がだるくて疲れやすい。それと眼精疲労としつこい頸肩こりに悩まされている。さらに朝会社に出掛けようとすると、イライラしてきて頭痛がしてくる。詳しく問診すると、4月の人事異動で上司が代わり、威圧的な指導ぶりに戸惑い、その不満を口にできずにいるという。

このAさんについての「気」を考えてみます。
明らかにストレスの原因は新しい上司との人間関係によるもの。それと春という季節も何らかの関係があるかもしれない。
まずはAさんの「心」と「身体」から考える。東洋医学は「心」と「身体」を分けて考えない。「心」と「身体」は「気」によって結ばれて一体なっているとみなす。だからイライラする「心」の状態は「気」の流れに変化を及ぼし、さらに「気」の変化は身体に影響を及ぼして様々な症状を呈することになる。
次にAさんと上司の人と人の関係から考えてみる。ふたりは当に気が合わないから、ふたりの間における「気」のキャッチボールは当然ちぐはぐで、上司の威圧的な「気」の勢いにおされるままに、Aさんは自分の呼吸さえ保つことができない。自分の呼吸を保てなくなると自律神経がみだれ、血液運動に影響ができて目の疲れや頚肩こりなどの、いわゆる不定愁訴のオンパレードになってしまう。
それともうひとつ指摘したいことは、季節の気の動き。5月は春の気が盛んな頃。春の気は伸びやかな動きに満ちているのに、身体が疲れていると春の気と折り合いがつかず、逆に身体の気の流れは滞りやすくなる。

とこのように、「気」には体の中を流れる「気」だけではなくて、心と身体を結ぶ「気」、人と人の間に流れる「気」、そして人と自然の間で感応する「気」などがあり、つぎのように分類できる。
 
 『気の分類』
   ○生理的エネルギー:身体の中を流れる気
   ○心理的エネルギー:心と身体を結ぶ気
   ○感応的エネルギー:人と人、人と自然の間で感応する気

人間は身体の中に「気」が流れていると同時に、さまざまな環境下で外部と「気」のキャッチボールしながら生きているとみることができる。その中で「気」の不調和を生み出すと病気になってしまうということ。
ただ問題は「気」というのは、見えないものだから一般的に理解されにくい世界。だからできるだけ分かりやすく順次話していきましょう。
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