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第41話:気を動かす「色」「形」「音」(その1)



手のひらにのせた青の矢印が遠位方向(外方向)に向いています。これと近位方向(内方向)に向けたときの感覚を比較します。青の矢印が遠位方向に向けた方が、手のひらにシュルシュルと外に何かが出ていくように感じます。これはなにを現しているかというと、色と形が気を動かしている現象です。この場合、青という色は外に気を動かし、矢印という形は、矢印の方向に余計に動かす力があることを意味します。逆に赤の矢印の場合は、近位方向に向けた方が、手のひらにシュルシュルと内側に何かが入ってくるように感じます。

◆色について―――
この実験のように、赤と青には気の動きに対して、それぞれ「IN」と「OUT」に働く性質があるようです。ただし、これは赤と青に限った性質です。
また東洋医学の世界では古くから「赤」「青」「黄」「白」「黒」の「五色(ごしき)」という五種類の色がありますが、これが「心」「肝」「脾」「肺」「腎」の「五臓」と対応しています。鍼灸には経絡治療という治療システムがあり、五臓に連絡した経絡、「心経」「肝経」「脾経」「肺経」「腎経」に「心包経」を加えた計6本が、足や手に流れています。手足に何が流れているかといえば、気が流れてそのライン上にツボが存在しています。(尚、「心包経」は心臓の外堀を担う経絡です。)

鍼灸師が治療するのは、「五臓」だけでなく、五臓に連絡するこれら「経絡」を含めた所謂「臓腑経絡システム」を治療の対象にします。なぜなら、経絡に流れる気を含めた状態の、まさにアクティブな身体を診ているからです。実際には、その患者さんにとって一番重要な「経絡」は何かを、まずは診断します。話が長くなりましたが、要するにこの「経絡診断」によって、「肝経の人」なのか「腎経の人」等々を判別します。本題に戻すと、その経絡のタイプによって、以下のように色が配当されます。

「心経の人」  → 赤
「肝経の人」  → 青
「脾経の人」  → 黄
「肺経の人」  → 白
「腎経の人」  → 黒 (以上が古典にある五色)
「心包経の人」 → 桃 (後世の人が桃色と決めた)

ここで例えば、「肝経の人」とはストレスによって気が変動しやすく、目が疲れやすく、「足がつる」とかの筋肉疲労を起こしやすい人です。「肝経の人」は総じて、青色が身体に合って、なおかつ肝経に流れる気の流れがよりスムーズに流れますということ。これを利用して、肝経の要穴(重要なツボ)に青の色紙を貼るという治療法も実際にあります。

また、患者さんが日常でできることとしては、青の装飾品を身に着けることです。この場合、ビーズのようなものより、ラピスラズリーとかトルコ石のような「宝石」の類の方がより効果的です。なぜなら、古来より宝石などの装飾品を身に着けるのは、石がもつパワーで身を守ったり、魔を払ったりする意味がたぶんあったと思われるからです。

経絡診断によって、身体に合う「色」を患者さんに伝えると、「もともとその色は、私の好きな色です。」と応える方が多いです。よく好んで選ぶ洋服の色と符合する場合でも、きっと身体に合う色を、身体が自然に選んでいるのです。また現代美術をやられている方も、その色は一番使ってしまう絵の具の色です、と応えたケースもありました。

特定の「色」が身体に合うというのは、その方にとって最も大事な「経絡」の気の流れがよりスムーズに流れやすくなり、内臓を含めた「臓腑経絡システム」を調えることになります。「色」にはそうした「力」があるのです。(つづく)
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