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第68話:鍼灸がとりもつ「ご縁」

◆ご縁としての鍼灸
鍼灸の専門治療院となると、マッサージとか指圧の治療院に比べて、初めての方にとってどうしても敷居が高いようです。それは「鍼をどのくらい刺すのか?」とか「鍼は痛くないのか?」という不安から、「どんなふうに治療するのか?」「どんな人が治療するのか?」という基本的なことまで、初めての方にとっては「鍼灸」がとにかくブラックボックスだらけの未体験ゾーンということ。そうした不安なり先入観なりを払拭するために、鍼灸に関しての正しい情報を啓蒙すべきことは、わたしたち治療家にとって常に心しておく課題です。(このブログもその目的のひとつですが。)

と言いながらも幸いなことに、通院されている患者さんは、自分で調べて来院された方よりも、知り合いに紹介されて来院された方のほうが圧倒的に多いのです。安心して来院するための判断材料は、やはり知り合いからの口コミ情報が一番ということ。さらに紹介者が事前にレクチャーをして、なおかつ来院するように背中を押してくれたりします。院主のわたしはそうしたご好意に安住してばかりいるのですが、ただ鍼灸治療院の特殊性といってよいのかわかりませんが、鍼灸治療の世界とは、ある意味「人と人のご縁」があってこそ成り立つものと思っています。

◆紹介というシステム
患者さんと治療家の間には、信頼関係が欠かせません。紹介者が仲立ちすることは、その信頼関係を築きやすい環境づくりへとお膳立てするようなものです。さらにそのことで治療の上での「気の交流」もとてもスムーズになります。よく「紹介される時点から治療は始まっている」と言われます。これは師匠から教わった至言ですが、こうした紹介システムの特長をよく表しています。つまり、紹介者の患者さんに対する思いが、実は治療という流れのひとつとして事前に反映されていると解釈できます。

◆鍼灸がとりもつ
先日のこと、患者さんのAさんのご依頼で、大病をされている友人のBさんのご自宅に出張治療をしてきました。「少し身体が楽になってとても喜んでいましたよ」と後でAさんから連絡をいただきました。大変な病気をかかえながらも、いくらかでも身体を楽にしてあげたいというAさんの思いが、きっとわたしが据えるお灸のひとつひとつに反映されたのだと思います。

そうした鍼灸がとりもつ「ご縁」を大切にしながら、これからも多くの方々に治療していけたらと願っています。
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