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第90話:筋肉をつかう診断法「FMテスト」(3/4)

~意念を使う~

◆「部分」と「全体」に介在する「気」
伝統的「脈診法」とは、手首の橈骨動脈に手指を触れて、そこから伝わる脈の「形状」「浮沈」「遅速」などから健康状態を察する診断法です。動脈拍動部という身体の「部分」から身体「全体」を窺うというプロセスは、『華厳経』が説く「一即多 多即一」(部分に全体の宇宙が投影している)というホロニックな世界観に通じます。さらに進めて、東アジア科学史の山田慶兒(京大名誉教授)は、「部分」と「全体」が意味的連関をもって感応するのは、そこに「気」が介在するからこそ成り立つと説いています。

「FMテスト」も、筋肉という「部分」から身体「全体」を窺う診断法です。検者(施術者)と被検者(患者)の間において、「気」を介在とする感応がうまくはたらくには、相互に信頼関係があるのはもちろんのこと、検者(施術者)側には、確固たる目的意識をもった「意念」をはたらかせることが有効です。というのも、「意念」とか「想念」がはたらいている意識下では、「気」はより動きやすい性質があるからです。
そこで今回のテーマは、「FMテスト」に「意念」を活用する応用編です。

◆意念を使った「FMテスト」
たとえば【写真A】のケースでいえば、センサーである左手指(第3指)を「脾虚」の患者さんの右足にある脾経のツボ「太白」を触るところを、触らないで左手指(第3指)をそこに向けてかざすのです。そこではあくまでも「触ったつもり」と「意念」をはたらかせることがコツです。すると、左手指をかざしたとしても、直接触ったときと同じように、テスターである右手指3本(第2~4指)による触診では、硬結が「ストン」と弛んでしまう「適(Yes)」の応答を体感できます。

このように手指をかざすやり方をマスターすると、触りにくい遠くのツボでも容易に診断ができます。たとえば伏臥位(うつぶせ)にならないと触診できない背中や腰のツボでも、仰臥位(あおむけ)のままでも、「触ったつもり」という「意念」をはたらかせることで、容易にツボの反応をチェックできるようになります。

ちなみに、アンテナのかなり敏感な患者さんの場合は、一緒にツボの反応を共有できます。たとえばAさんは、治療中に気の流れを実況中継してくれる不思議な方ですが、それだけでなく、私が「FMテスト」で応答反応を感じている、ある特定のツボに指をかざすと、Aさんにもシュルシュルと風のようなものを、そのツボの部分に感じます。まさに双方向性に反応を共有できる患者さんが存在するのです。(『第51話:霊性の高いひと』参照)


                  【写真C】

次に、上の【写真C】に示す「FMテスト」による「経絡診断」のやり方を説明します。
「経絡治療」というのはまず、患者さんの「体質」を見分けるのが先決になっています。その体質とは、陰経の6つの経絡の内、どれがいちばん気を不足がち(「虚証」という)であるかを診断します。ただしそのうちの「心経の虚」は「心包経の虚」で代表されると考えて、便宜上「肝虚」「心包虚」「脾虚」「肺虚」「腎虚」の5つで分類します。この陰経の5つの「虚証」が、そのまま5つの「体質」分類を表します。(『第79話:「経絡」を診る(2/2)』を参照)

    5つの体質=「肝虚」「心包虚」「脾虚」「肺虚」「腎虚」

わたしの左手指(第3指)は、上から下へ移動しながら「肺・心包・心・肝・脾・腎」と順番に意識下で唱えながら、右手指3本(第2~4指)で患者さんの腕橈骨筋(の硬結)を順次「グリッ・グリッ」と触診して、「ストン」と弛む「適(Yes)」の応答があるところを探します。たとえば「肝」と唱えたときに「ストン」と弛む「適(Yes)」の応答があれば「肝虚」と診断されるわけです。この「肺・心包・心・・」の順番は、臓腑経絡と密接な関係にある背中の背兪穴の並びに準拠しています。

   胸椎03/04間 = 肺兪  (肺経)
   胸椎04/05間 = 厥陰兪 (心包経)
   胸椎05/06間 = 心兪  (心経)
   胸椎09/10間 = 肝兪  (肝経)
   胸椎11/12間 = 脾兪  (脾経)
   腰椎02/03間 = 腎兪  (腎経)  ※( )内は関連経絡を示す。

細かく言えば、かざしている左手指(第3指)の先は、背中の背兪穴に「触ったつもり」になって、順次下へ指をスライドさせ、「肺虚ですか?心包虚ですか?・・」と尋ねてゆく気持ちで「意念」をはたらかせて応答反応を診ることが肝要です。

こうした「意念」を使った「FMテスト」は、施術者の体調によっては思い込みが発生しやすいことがあります。その短所を補う対策としては、他の診断法と組み合わせて2重にチェックすることは先に述べた通りです。       (つづく)
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